第5話 シンテグレートとヴィック – それぞれに求められるスキルと役割分担 -【業界インタビュー Vol.6】シンテグレート合同会社 & 株式会社ヴィック

シンテグレートとヴィックのオフィス風景

槙田
槙田
平均年齢や求人についてなど、スタッフさんのお話もいいですか?
平均年齢はだいたい30歳前後だと思います。
渡辺健児さん
渡辺さん
特徴として国際色があるっていうところです。
小西恵一さん
小西さん
国際色は、僕が海外で仕事してたから、そういうのが好きだっていうのがあります。現状では、先ほどのような日本のBIMの状況があるので、簡単に有能なBIMのスタッフは見つけることはできません。
弊社は、まず、海外でBIMの実績を積んた外国籍のスタッフがいます。そこに一歩先を見ている日本人・外国人スタッフが集まってきています。
渡辺健児さん
渡辺さん
あいこ
あいこ
じゃあ海外に求人を出すんですか?
直接海外に求人をだすようなケースは今のところありません。日本のとあるプロジェクトに関わる機会があり、シンテグレート香港・韓国のスタッフが日本にきて仕事をしていました。日本法人がなかったのでその折に設立しました。
渡辺健児さん
渡辺さん
あいこ
あいこ
なるほど、日本法人はそこから始まってるんですね。
そのうちの何人かが残って、そこに僕が呼ばれて入ってシンテグレートジャパンの代表になりました。そのあと入ったのは日本国内にいる外国人も多かったです。色々な国のスタッフがいますが、一時、僕以外は外国人だったな。
渡辺健児さん
渡辺さん

シンテグレートの沿革

槙田
槙田
たしかに、シンテグレートさんって外国人ばかりっていうイメージがあります。
韓国・台湾人のスタッフは、当たり前ですが母国語を話し、英語・日本語も上手に話します。3カ国を使ってコミュニケーションができます。
小西恵一さん
小西さん
日本語、相当にできるようになったね!!彼ら!!
渡辺健児さん
渡辺さん
すごいです。日本人スタッフにすごく丁寧な日本語で指導してますから。
小西恵一さん
小西さん
あいこ
あいこ
すごい!!
社員にはなるべく英語をしゃべって欲しい。
渡辺健児さん
渡辺さん
槙田
槙田
ゆくゆくは公用語が英語ですか?
そうですね!!今もミーティングの半分くらいは英語でやってます。
小西恵一さん
小西さん
そう、英語と日本語両方。みんな優秀ですよ。優秀なスタッフがどんどん集まってきています。
渡辺健児さん
渡辺さん
求人を出していますが、応募が多数あります。シンテグレートのブログでは、世の中にないような情報、例えばRhinocerosとかGrasshopperのHOW TOなど、こういう使い方があるよね、ということなどを発信しています。それを見て学びたいなど、興味を持って門を叩いてくれる学生さんがいたりします。あとは同じようにそれを見て、採用してくれないかってアプローチが来たりしています。
小西恵一さん
小西さん
シンテグレート・WEBサイトのブログページ(WEBサイトより一部抜粋)

シンテグレート・WEBサイトのブログページ(WEBサイトより一部抜粋)

あいこ
あいこ
ヴィックとシンテグレートは募集要項は違うんですよね?
はい。やっぱり会社が違うので求められるスキルは違いますね。可視化することは共通なんですけど。
小西恵一さん
小西さん
いくつかチームがあるので、必ずしもRhinoceros、Grasshopper使いだけではないです。
純粋にプログラマーの人もいるし、Revitを使える人、マネージメントのスペシャリスト、VRのエンジニア、MRのエンジニアなどいろいろいます。
渡辺健児さん
渡辺さん
槙田
槙田
なるほど。基本チームで動かれていますよね?
もちろん。BIMのあれやこれやをお伝えしてきたのでお分かりいただけると思いますが、さまざまなエキスパートが集まってチームとして動くことが求められています。
例えばGrasshopperを行うにも、難しいプログラミングのところからやっていかないと出来ないこともあるので、そのときはプログラマーに書いてもらう必要があります。
渡辺健児さん
渡辺さん
槙田
槙田
チームでお客さんが手に負えないものを、全部埋めるってところがあるんですね。
あります。そういった諸々の側面を補完することがサポートするということになります。
小西恵一さん
小西さん
Tottori Prefectural Museum /  Maki and Associates 2019 ※ヴィック ウェブページより

Tottori Prefectural Museum / Maki and Associates 2019
※ヴィック ウェブページより

3ds Max制作画像

※3ds Max制作画像

※3ds Max制作画像

最近ですと、ビジュアライゼーションを行うときに、設計者がRevitで作り、そのままV-rayでレンダリングすることや、LUMIONに入れて設計者自身がパースやアニメーションをアウトプットするケースが多いです。
ショットパースって言われている、建築のいろいろな部分を切って取り出すっていう仕事でいうと、モデルデータを設計者が持ってるんだったら、そのままV-RayやLUMIONでボタン押せばある程度のクオリティーのレンダリングができますので、そこである程度の確認ができます。我々はショットパース的な仕事は減りました。ヴィックは決めの一枚の仕事が大半です。
渡辺健児さん
渡辺さん
あいこ
あいこ
ヴィックさんのお仕事は、3ds Maxで作りこんだ「決めの一枚」を作成するということなんですね。
そうです。お客さんが仕事を取るための仕事が多いですね。うちは決めの一枚を、設計者と膝を突き合わせてやりたい。
あとはBIMと絡めて、新しいテクノロジーをどんどん投入したときに、どういうビジュアルが出来るかっていうのが、ヴィックがやりたいこと。ヴィックというか、ヴィックとシンテグレートでやりたいこと。
渡辺健児さん
渡辺さん
ヴィックは絵だけじゃなくて、ムービーやVR、MRとかも実績もでてきています。ヴィックに所属しているスタッフがシンテグレートの仕事をして、VRやMRコンテンツつくったりという状況もあります。
小西恵一さん
小西さん
あいこ
あいこ
2社で行き来があるんですか?
そうですね、行き来もあります。従来どおりパースというのは、一つの表現手法であり、変わることなくあり続けるものだと思いますが、テクノロジーが進化するとそれに伴って新しい表現が生まれます。
新しい表現手法を模索するにあたって、2社間の交流は非常に良い環境だと思います。彼らも自分たちで技術を学んだり、何かをやれるように準備していたりします。
小西恵一さん
小西さん
加えて、BIMの仕事をやっていると、ビジュアライゼーションの仕事をやらせてもらうこともあります。
逆に、ビジュアルからBIMの仕事につながることもあります。
富士山の案件みたいに、最初にパースを描いて、後に施工の仕事が入ってくる。
渡辺健児さん
渡辺さん
モデルをつくるメリットも、一つの事柄が目的であったことが大半でした。
今は、モデルから図面のアウトプットができて……パースや映像が出せて、VRやMRが出せてってなるので。1つのソースで多方面的にアウトプット出来るっていうのはこれから主流になっていくのかと思います。
小西恵一さん
小西さん
われわれヴィックの仕事、パース製作の仕事は、専門知識のない人へもきちんと理解してもらえるような役割があり、絶対必要な仕事だと思っています。
ただ、パースを製作することが最大の目的ではないと考えているので、VRなどのシミュレーションが良いと思われるときには、それらをやるべきだと考えています。
案件がBIM(シンテグレート)から発生するか、ビジュアライゼーション(ヴィック)から発生するかは、正直どちらでも良いと思っています。ヴィック&シンテグレートで必要な技術を用いて、ベストなソリューションを探しだして、
クオリティーをあげたアウトプットをしていきたいと考えています。
渡辺健児さん
渡辺さん

渡辺健児さん

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