【建築ビジュアライゼーション業界インタビュー Vol.2】西脇嗣人さん(wanimation)第4話「MYルール~wanimation編~」

このコラムは建築ビジュアライゼーションに携わるスペシャルな方に、お話を聞いてみよう!というコーナーです。
折返しとなる第4話目は、わに(Wanimation)さんに「映えをつくれる」とはどういうか聞いていきます。

MYルール ~wanimation編~

あいこ
あいこ
私、モデリング遅いんですよね。
遅いんじゃなくて、得意じゃないだけですよ。自分も嫌いですもん。
わにさん
わにさん
あいこ
あいこ
モデリングすっ飛ばして、早くレタッチに行きたいです。
自分も自分も!年取ってきて思うのは、モデリングは誰がやっても一緒なんですよ、正直。
わにさん
わにさん
あいこ
あいこ
そうなんですか?向いてる性格はあるかなって思います。
それはあると思うけど、建築モデルの成果物は、1~2年目の子がやっても10年目の人がやっても、ほぼほぼ大差ない。でも、レタッチは1年目の子と10年目の人では、雲泥の差があると思う。この偏見は、モデリング嫌いだからかな(笑)
わにさん
わにさん
あいこ
あいこ
モデリング好きな人は、やりやすい方法をいろいろ調べたりするもんなー。
自分は好きじゃないけど、早く終わらせたいから調べてる。2度繰り返す作業は基本調べる。スプリクトでやっちゃいたい。
わにさん
わにさん
あいこ
あいこ
そっかそっか、嫌いだから効率を求めてですね。アセットを溜めたりはしますか?
家具とか?もちろん溜めてます。でも、今はネットにいろいろあるから、昔ほど溜め込こまなくなったかも。
わにさん
わにさん
あいこ
あいこ
3ds Max側で、ライティングとかマテリアルとかレンダリング設定とか、毎回変えてますか?
変えます。自分のこだわりとして、マテリアルとライティングは、どんなに忙しくてもセットを作らないです。なんでなのかというと、試したいから。基本は、その時間を確保したうえで制作してる。
わにさん
わにさん
あいこ
あいこ
毎回作品をつくるたびに、ちょっと変えて確認したりして、徐々にアップグレードしていくんですね。
アップグレードするときもあれば、後悔するときもあるけど、どんどん自分の引き出しを増やしていきたい。マテリアルとライティングで基本が決まるので。CGパースって、そこの進化がなくなると途端に絵の進化がなくなるので、そこはフォーマットにしてないですね。
わにさん
わにさん
あいこ
あいこ
でも、結局一緒になっちゃうこともあるんじゃないですか?
一緒になるのはしょうがないですけど。知りたいんですよ、「感覚でこうするとこうなるんだ」っていうのだけ、知りたいんです。昔、特に1~2年目の時やってたのは、1日1~2個モディファイアを触っていくとか。
わにさん
わにさん
あいこ
あいこ
選択肢の幅は、知ってるのと知らないのでは、いざというときに全然違いますもんね。問題が起きたときとか、こうゆうのが作りたい!ってなったときに。
そう。だから、なるべく一緒になるかもしれないけど、気が向いたときとか時間があるときに、研究はしたりしてます。フォーマット化されていると、流れ作業になっていくのが嫌なんですよね。オペレーションが大嫌いだから。
わにさん
わにさん
※3ds Max モディファイアを一部抜粋

※3ds Max モディファイアを一部抜粋

MYルール、すごいな!ちゃんと自分が成長していくために、なぁなぁにならない姿勢が素晴らしすぎるよ!
案件ごとに知識や感覚を増やしていってるんだから、それが積み重なったら、すごい経験値になりますよね!
私もタイピング早くなりたくて、あえて予想変換を使わないようにしてたな…(技術的な話じゃなくて悲しい…汗)。

脳内フィルター増し増し

※3ds Max+Unreal Engine4を使って制作

※3ds Max+Unreal Engine4を使って制作

あいこ
あいこ
わにさんの作品って、全体的に空気感がきれいですよね(しみじみ)。なんていうんだろう…エモい?雰囲気がすごくある。
そういってもらえると嬉しい。さっきも話出たけど、写真よりもかっこよく描く仕事だから。だから「フォトリアル」って言葉が、好きじゃないんですよ。自分がやってるのは、フォトじゃないし..。でも、そういう業種もあるんですよ。カタログとかマンションとかは、フォトリアルを求められてる。自分が生きてきた業界は、フォトリアルを求めていないパースだったので、なおさら。
わにさん
わにさん
あいこ
あいこ
自分のなかで、コンセプト設定とか考えたりしますか?
自分らの描く絵って、かなり条件の制約があるじゃないですか。だから、まったく好きなものが描けるわけじゃないんですけど、あります。昔はたくさんのリファレンスを見まくっていたけど、今は基本、頭の中で完成図を出来るだけ鮮明に想像してます。
わにさん
わにさん
あいこ
あいこ
パースの流行り?というかテイストを、案件ごとに試しに加えてみたりするんですか?
流行りとかは気にしたことはないかも。でも、ずっと否定しつづけてきたのは《ここの会社テイスト》。「このゼネコンならこのテイスト」っていうのがあって、自分はそれは幻想だと思ってるから、かっこよければいいじゃん!って思う。そういう意味では、いろいろな見せ方を試してはいるけど。
わにさん
わにさん
あいこ
あいこ
じゃあ図面とかイメージをもらったときに、「これはこういう風に見せてあげたほうがかっこいいんじゃないか」ってイメージを、だいたい練って、そこに突っ走って行く感じなんですね。
そうそう。ギラギラした建物を淡くしても仕方ないじゃん。もちろん写真では表現できない建物の空気感とか、若い人が使う施設だったら若者みたいにキラキラさせるとかはあるけど。老人ホームキラキラさせても『え?』ってなるじゃないですか。
わにさん
わにさん
あいこ
あいこ
老人ホームは温かみがある感じですね。
そうそう。基本はかっこいいと思えるように描けばそれでいいじゃないかな。写真よりもかっこよく描く仕事って言ったけど、建物を建てるためには数年の時間が必要なわけじゃないですか。それを2週間くらいで超素晴らしく表現しちゃうって仕事なので、写真つくっても仕方がないんですよね。なんか写真と違うテイストでいかないと…写真でいいじゃんって言われたら自分らの仕事なくなっちゃう。
わにさん
わにさん
あいこ
あいこ
わにさんの絵を見たら『これが出来上がるんだっ!楽しみだな』ってなりますよね!

エモいって人生ではじめて使ったけど、わにさんの作品に《エモい》はしっくりくるかも。いや、エモいって言いたかっただけかも。うそ、やっぱりエモい。ワニさんの絵は本当にアンニュイ感というか雰囲気を纏っていて吸い込まれるような魅力があります。やっぱりちゃんとドラマティックフィルターがかけられているから目を惹かれるんだなー

映える

これは最近3ds MaxとTwinmotionでやったやつ。
わにさん
わにさん
あいこ
あいこ
超きれー!
よく見ると粗いですけど。雰囲気ですよ。
わにさん
わにさん
あいこ
あいこ
そう!全体的な雰囲気とかバランスが良いと粗さを感じないかも。
目に留まる場所をしっかりつくる。視線誘導と一緒ですよ。雰囲気さえあれば別にリアルにつくってなくてもいいんですよ。
わにさん
わにさん
あいこ
あいこ
いや、全然リアルに見える!自分がこの場にいるような感覚。これ3ds MaxとTwimotionだけで作ったんですか?
フィルター使う=雰囲気出すのって基本的にごまかしをしてるんですよ。設計検討できてない場所やちょっとかっこよくないなってなっちゃった場所も雰囲気でごまかす。この動画は前のバージョンのTwimotionだし、なおかつモデル全然細かくつくれてないんですよ。でも基本機能だけでなんか雰囲気でごまかせてる。パッと見るとかっこいいと思うじゃないですか。あっ、かっこいいと思ってもらえるかは分からないけど…
わにさん
わにさん
あいこ
あいこ
かっこいいですよ!
こうゆう作業が好きなんですよ。Photoshopもそうじゃないですか。雰囲気をつくるっていう。自分はTwinmotionやUnreal EngineをPhotoshop感覚で触ってるんで、技術は大したことないんですよ。自分が人より特化してると思うこと…パース屋が特化してるって事でもあるんだけど、映えをつくれる!映えさせるのが得意!
わにさん
わにさん
あいこ
あいこ
確かに映えてる!ポイントがちゃんとわかってるってことかな。
それがパース屋かなって思う。たいしたことないデザインでもちゃんと映えさせる。
わにさん
わにさん
あいこ
あいこ
見せ方を分かってるんですね。研究したり、いろいろなものを見たり、何かを見るにしても設計やBIMとは見てるところが違うのかも。
うん。そこはやっぱり違うと思う。
わにさん
わにさん
※スナックKviz物語 #07.再検討...悩む。

※スナックKviz物語 #07.再検討…悩む。

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天野 愛子

天野 愛子Writer, Interviewer

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フリーランス1年生。 建築CGパース制作会社退職後、心が踊る出会いを求め活動の場を多岐に渡り拡大中。

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