第2話 「空間を身にまとう時代」をつくる。その心の境地とは-【業界インタビュー Vol.7】Psychic VR Lab

第2話では、顧客体験という立場から、リアルとデジタルでの店舗のあり方を考察しています!近い将来、サイキックVRラボさんが実現しようとしている売り場づくりの話をお伺いしていきます!

浅見和彦氏インタビュー写真①

槙田
槙田
最近、DXが取り沙汰される中、お客さんから『どういう顧客体験ができるか』といった相談が増えていたりしますか?
爆発的に増えているわけではありませんが、以前からある一定のお問い合わせはいただいています。xR業界に限らずですが、企業担当者の方も「何か新しいことを始めなきゃいけない」「このままじゃマズイ」といった課題意識が高い方から、「xRを活用するってどうなんだろう」というお問い合わせをいただくことが多いですね。
浅見和彦さん
浅見さん
あいこ
あいこ
なるほど~。xRで実現できることって本当に多そうですよね。発想力が求められるというか。
発想力は大事ですね。ただ、卑下する意味ではなくてxRって1つの手法なんです。『このペットボトルをおもしろおかしくARで映し出す方法』というのはアイディアで考えられますが、「で、何したかったんだっけ?」ということなんです。これを売りたいのか、価値をあげたいのか、さまざまな目的がある中で、その目的と最適な手段としてxRで何ができるのか、ということを考えないと。
浅見和彦氏インタビュー写真③
浅見さん

あいこ
あいこ
そっか。世界観をつくりあげるにしても目的は大事ですね。興奮して見失っていました。

浅見和彦氏
槙田
槙田
お客さんから依頼を受けて御社で制作を行うパターンと、プラットフォームとしてお客様に使ってもらうパターンがあると思うんですけど、はじめはどちらからだったんですか?
はじめはというか今もなんですけど、プラットフォーマーとしての位置付けで動いています。とはいえ、どうしてもつくる人がいないときは受託でお受けしていたという感じですね。
浅見和彦氏
浅見さん
槙田
槙田
そうなんですね!はじめからプラットフォーマーとしてサービスをリリースされる決断がすごいですね。未来のことを考えると果てしなく開発をし続けないといけないじゃないですか。
だから動画配信サービスが動画制作ツールを持っているみたいなことなんです。ただ、動画配信サービスは動画を受託制作するだけの会社にはなってないじゃないですか。僕たちもxRコンテンツの受託制作する案件をお受けすることもありますが、メインの目的はSTYLYを利用いただく方を増やしていくことです。
浅見和彦氏
浅見さん
あいこ
あいこ
映画『サマーウォーズ』のOZの世界みたいな感じで、個人情報が紐づけられたり、買い物ができたり、ゲームフィールドをつくったりですか?そう考えると、どんどん広げようがありますよね。
あると思います。ただ、僕たちは《我々が物理的に存在している世界》と、《バーチャルの世界》という2軸では考えていなくて。
浅見和彦氏
浅見さん
あいこ
あいこ
より現実とリンクしているイメージですか?
基本的にはリンクしていて、メインは自分たち。その上にレイヤーが重なっていくっていう。あちらの世界の自分という感じではなく、どちらの世界の自分も自分であって。
浅見和彦氏
浅見さん
あいこ
あいこ
引き出しが増えるみたいなイメージなんですかね。
そうですね。僕らは「空間を身にまとう」というのをコーポレートのバリューとして掲げています。それは見えている世界がいろいろ増えていく……身体の拡張に近いというか。
浅見和彦氏
浅見さん

あいこ
あいこ
なるほど!完全にバーチャルの世界に閉じこもって現実世界はさみしいとかじゃなくて、現実の自分が軸としてあって、そこにバーチャルが繋がり派生して、より人生を彩って楽しくなっていくためのものって考えなんですね。

浅見和彦氏インタビュー写真②
槙田
槙田
御社のサービスをはじめて知ったとき、今ない空間を社会に実装していくっていう感じがすごくしました。オリジナリティがある活動をされてらっしゃる会社さんだなって。だからこそ大きな企業さんとのコラボレーションが多いのかなと思いました。
大変ですけどね。誰もやったことないことも多いので。
浅見和彦氏
浅見さん
あいこ
あいこ
たしかに。やったことないことをお客さん相手に「やりましょう」と広げていくってあらためて考えたら本当にすごいですよね。
STYLY内でのお買い物は今はまだですか?
まだないです。絶賛開発中です。
浅見和彦氏
浅見さん
あいこ
あいこ
じゃあ、近い将来もしかしたら個人でもネットショップみたいな感じで開設して、バーチャルの世界でお店をつくれるってことですよね。
そうです。例えばアーティストの方だったら、ご自身の世界観の空間の中に3Dスキャンした洋服や作品を置くこともできるイメージです。
浅見和彦氏
浅見さん
あいこ
あいこ
そうなったら購買意欲もまた変わってきますよね。デザイナーさんの色味というのかな?個性が分かりやすかったりしますよね。
ファッションビルに店舗があると、間口はこのくらいで、照明はこうでと、いろいろな制約があるじゃないですか。その中で、ブランドの世界観を出せるように内装をつくっていく。でも、世界観を自由に出すためには実際そういう制約はないほうがいいですよね?
浅見和彦氏
浅見さん
槙田
槙田
たしかに実空間では制約が多いかもですね。
そうですね。僕らの見立てだと現実世界の建物側がバーチャルの世界に徐々に合わせてくるんじゃないかなと思っていて。
浅見和彦氏
浅見さん
あいこ
あいこ
というと。
例えば、VRやARでつくるお店の売り場のサイズはもちろん、レイアウトも自由に変更することができるので、バーチャル世界で試した結果、リアル世界の店側の間取りも変えられるような空間に変更しましょうという風になるのではと思うんです。
浅見和彦氏
浅見さん
あいこ
あいこ
そうですね。そこでまた実店舗をないがしろにするようになっちゃうとまた違う問題が起きちゃいますもんね。
洋服だったらお店に行って実際に触ってみたり、試着してみたり、似合うかどうか店員さんに客観的な視点で見てもらうなどの体験は重要ですよね。それに、そのお店に入ったときの香りや、かかってる音楽、行くまでの気持ちなど、バーチャルとは全く違う体験です。
だからリアルの売り場は絶対残ると思うんですが、じゃあリアルだけでいいのか?リアルとECでいいのか?といわれると、まだ顧客体験としてさまざまなやり方はあると思うんです。VRやARというxRの角度からのサポートや要求はこれから増えてくるのだと思います。
浅見和彦氏
浅見さん

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