石井先生的感情【建築ビジュアライゼーション実践企業インタビュー Vol.1】石井雄太さん(株式会社日建スペースデザイン)第4話

石井雄太

石井雄太
株式会社 日建スペースデザイン デジタルデザインチーム テクニカルマネージャー
日建スペースデザインは、インハウスのデジタルデザインチームを持つ、インテリアデザインのプロ集団。

このコラムは建築ビジュアライゼーションに携わるスペシャルな方に、お話を聞いてみよう!というコーナーです。
いよいよ後半!4話目は、改めてデジタルデザインチーム石井雄太さんに建築ビジュアライゼーションの仕事の醍醐味について伺っていきたいと思います。

石井先生的感情

あいこ
あいこ
石井さんの思う、この仕事の楽しいことって何ですか?

一言で言うと、《誰も見たことのない景色を作り出せること》ですね。インテリアで特に重要なのが光なんですよね。設計者の頭の中に描かれているものを可視化して、そこに僕らで光を足していく。そうするとインテリアは光によって色々な表情を出すので、それを自分たちがコントロールしてデザイナーやクライアントが納得できるような景色(表情)を作っていくってことが楽しいですね。
石井さん
石井さん
あいこ
あいこ
そのために色々な知識が必要になるわけですね。

人の頭の中を絵にするのは簡単のようで本当に難しくて、どれだけその人の考えてることを汲み取るかも大事ですけど、それ以上に自分たちがフィジカルな現実空間の情報をどれだけ理解しているかがすごい重要ですね。
石井さん
石井さん
あいこ
あいこ
ふむふむ

そこを理解したうえで、イメージ通りのものを作れるとうれしいですよね。『やっぱこうだよね』『考えてることこうでしょっ』みたいな
石井さん
石井さん
あいこ
あいこ
達成感みたいなものがありますよね。わくわくはどんな瞬間感じますか?

プロジェクトのコンセプトを1枚の絵や動画に対してストーリーを描けた時ですね。プロジェクトチームやクライアントの願いや想いを可視化する為に、その一枚のパースの背景を読み取って、人物や小物、植栽などの添景のシチュエーションを考えていく瞬間はわくわくしますね
石井さん
石井さん
あいこ
あいこ
ただ配置すればいいってもんじゃないですもんね。私も始めたころに上司にそれはすごく言われました。ただ置いただけでは心に響かないというか。

そうそう。配置するだけではなく人の表情などもかなりこだわってます。やっぱりプロジェクトチームとか、クライアントの想いや願いもあるので空間が使われている未来像をちゃんと可視化できることはわくわくするんですよね。
石井さん
石井さん

見せていただいた動画でも設計者の方が出演されていたり、クライアントの方の想いと設計の想いを繋げるよう意識して考えられていました。
『建てることによって街が変わる、人の流れが変わる。そういう想いをビジュアル乗せて表現しています。by石井』良い言葉~!
フェイス・トゥ・フェイスをここでも大事にされてました!

あいこ
あいこ
大変なことはなんですか?

物理的なものですね。大規模な物件をコントロールする時です。モデリング量ももちろん多いですし、レンダリングコストやタイムマネージメントなど、大規模な物件程トラブルがつきものなので…。インテリアなので特に家具の量が膨大な時は大変ですね。大変になればなるほど諸々のリスクを踏まえたミスしない段取をきちんとします。
石井さん
石井さん
あいこ
あいこ
段取りか…。忙しいと難しいんだよな。

忙しいとその辺をないがしろしちゃうんでよね。なのでここ何年かでフォーマットを全部整理して、ルールを決めて管理するようになりました。
石井さん
石井さん
あいこ
あいこ
これは本当にすごい!

このご時世なので、やっぱ効率化がすごく大事だなと思って。
石井さん
石井さん
あいこ
あいこ
どんな時にイライラしますか ?石井さんイライラするんですか?想像できませんが…。

します!すます!フリーズした時とかですね。そうゆう時に限ってバックアップ取れていなかったり…。大規模な案件だと特にですね。
石井さん
石井さん
あいこ
あいこ
あー。時間も読めなくなって焦りますよね。

奇麗なパース~。

感情とか思ってることを語り合えるのは同業あるあるもあって盛りあがります(笑)
ビールほしくなってきます!
にこやか雰囲気の石井さんでもイライラする事が分かってうれしい!

石井さんに一問一答☆(一問でも一答でもない…)

※いつになく真剣に話を聞く◎

あいこ
あいこ
日建スペースデザインを目指す学生に何かアドバイスがあればお願いします!

僕らのチームは今現在では新卒採用がないんですよね。ですのでデザイナー向けのメッセージになってしまうかもしれませんが…。手書きでもデジタルでも『絵力』があると良いなと思います。 ビジュアルはコミュニケーションツールですので、社内でもデザインについて話すときなどにサっと手書きスケッチで『こんな感じ』っていう自分の意思がちゃんと伝えられることが大事。もちろんクライアントの前や現場でも想いを伝える為に《ちゃんと描ける》のは必要だと思います。
石井さん
石井さん
あいこ
あいこ
確かにそれは大事かも!私は『これが、あれが』をよく連発しちゃって意思疎通の失敗よくあります…へへっ。相手の立場になって考えなきゃなって反省してます…。確認や質問する際にも相手に理解してもらえる絵力が必要ですね!身に着けます! センスというか、『絵心』を育てるためには何をしたらよいですか?

やっぱり、良いもの見るっていう習慣があるといいでしょうね。僕は海外の作品の雰囲気を見ることが多いですね。
石井さん
石井さん
あいこ
あいこ
なるほど~! 建築ビジュアライゼーションに向けてというか、仕事への想いを教えてほしいです!

我々のチームの仕事は「可視化」できるもの全てが対象だと考えています。空間のビジュアライゼーションもそうなんですけど、例えば社内にいる人も可視化出来るし社内の雰囲気も可視化できる。デジタルツールの進化とともに常に自分たちもアップデートして、目に見えるものすべてをビジュアライゼーションしていきたいですね。それと「可視化」だけではなく「具現化」していくこともミッションだと思っています。
石井さん
石井さん

あいこ
あいこ
これからの建築ビジュアライゼーションはどうなっていくと思いますか?

BIMやリアルタイムレンダラーの普及により設計者やデザイナー自らレンダリングすることも増えてきています。 専門的に建築ビジュアライゼーションに携わっている方はクオリティや違うツールを用いたビジュアライズが求められると思います。 特にゲームエンジンを用いた表現手法やリアルタイムのコンテンツはどんどん成長していくので時代の変化に合わせて建築ビジュアライゼーションという領域も変化していくと思います。
石井さん
石井さん
あいこ
あいこ
建築ビジュアライゼーション業界に『こうなってほしい』『こうしていきたい』など想いを知りたいです!

建築ビジュアライゼーションはここ数年で様々な変化を遂げています。 色々なツールが出てきており、ビジュアライズの拡張性を求められる時代です。 各種セミナー、イベント、交流会が頻繁に行われているので、会社やジャンルの垣根を越えてビジュアライズの領域が拡張していけたらよいなと思います。 今は本当にオープンになってきているので!
石井さん
石井さん
あいこ
あいこ
確かに!Kvizのイベントに行って、『こんなにたくさん同じ事をしている人がいるんだ!』『こんなに面白いことをしている人がいるんだっ!』『みんな話をしたがっているんだ!』って本当にびっくりしました!それまでは会社とお客さんだけの閉ざされた世界だったので。今日の場もそうですし、新しい出会いが世界を変えてくれたなと思います!

本当にそう思います。Kvizに感謝です!人と出会うのも拡張性です。これからもどんどんイベントやセミナーが増えていくと思うので、そこに一歩踏み出すことが大事だと思います。
石井さん
石井さん
あいこ
あいこ
石井さん自身はそこにどしどし行って、どんどん人を巻き込んでいく側ですか?

そっち側になりたいですけど、一瞬なれればいいと思っています。そのあとは僕のチームの人間がなってくれれば良いと思うので。僕が経験したことやモノをどんどんチームに広めて、僕はまた違う領域を攻めて拡張していければいいなと思ってます。ずっとそこの中心にいちゃうとそれはそれでクローズな気がします。いつか戻って来るかもしれないけど(笑)
石井さん
石井さん
あいこ
あいこ
留まってたらもったいないですもんね!何がどう次につながるか分からないですし、得られるものって必ずあるはず! これから建築ビジュアライズを目指す方にアドバイスがあればお願いいたします !

偉そうなことは何一つとして言えないのですが(照) 様々なツールやジャンルに興味を持って試していく事と各種SNSを活用したり、やっぱりセミナー・イベントに参加してより多くの情報を得ること、そして色々なプロフェッショナルと知り合って協創していくことが大事かなと思います。
石井さん
石井さん
あいこ
あいこ
確かにイベントに来る学生や未経験の方は少ないですけど、行けば意外とすごい人とかいて、普段聞けないような話をとても気軽に教えてくれたりするのですごく良い機会ですよね。

そうそう!意外とそうゆう方たちはオープンだったりするので、ツイッターでやり取りできたりとか、その道のプロの方にちょっとしたことを聞けたりとか!その姿勢が大事で、オープンにしていると色々な情報を持っている人が逆にきてくれるようになるので。みんなオープンになればいいのにって思います。
石井さん
石井さん
あいこ
あいこ
色々と答えていただき、ありがとうございます!

デジタルデザインチームの中でしているような共有や高め合いが組織にとらわれずできるようになったら面白すぎます!人との出会いが自分を変えてくれるんだな!本当に一歩踏み出す大切さが分かります。Lets’コミュニケーション!!


建築ビジュアライゼーションのイベントといえば《建築ビジュアライゼーションMeetUp》こと略して《Kviz》!!我々の運命を繋げてくれたイベントです!
Webサイトに過去開催のイベントレポートがありますので、そちらも是非!

過去開催のイベントレポートはこちら

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天野 愛子

天野 愛子Writer, Interviewer

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フリーランス2年生。 建築CGパース制作会社退職後、心が踊る出会いを求め、活動の場を多岐に渡り拡大中。

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