本日は2023年11月10日(金)に開催されました、株式会社Too主催のデザインイベント「design surf seminar 2023 -デザインの向こう側にあるもの-」より、「設計事務所における横断型クリエイティブについて」のセミナーレポートをお届けします。
登壇者:
隈研吾建築都市設計事務所|設計室長
松長 知宏氏
隈研吾建築都市設計事務所のWebサイトはこちら:
会社紹介
まずは、簡単に弊社の紹介です。建築設計事務所という名前の通り、主に設計業務を行っています。
今回は、プロジェクトの紹介とともに「設計事務所でこんなこともやっているのか」という点も説明いたします。
画像にいくつかの建物が映っていますが、実際に建つものもあれば、計画中の案件もあります。日本国内だけでなくトルコやシドニーにある建物などもあり、世界中でお仕事しています。
本日紹介する事例には建物以外も含まれていて、最近は建築以外の仕事に関わる機会も増えてきました。画像の真ん中に載っている久杉橋もひとつの例です。山口県岩国市の獺祭の工場付近にあり、一度台風で流されてしまった橋を復興して作りました。これは土木の例ですが、そういった仕事もしています。
隈研吾建築都市設計事務所
簡単に事務所を紹介します。『隈研吾建築都市設計事務所』は銀座線の外苑前駅が最寄り駅で、2棟のビルに事務所を構えています。上の写真は、青山通り沿いにある青山タワービルの16階の事務所です。
写真は作成した模型たちです。社内には模型の専門チームがいて、プレゼンテーション用の模型の作成に加え、展覧会などもやっています。展覧会に建築物を持っていくことはできないため、模型や写真で見せています。写真はWeb上でも見れてしまうため、模型は展覧会でより活躍してくれて、建物のコンセプトを分かりやすく伝えることにも一役買っています。
模型の専門チームが写真のようにディスプレイしています。お客様にお渡しすることもあれば、回収して倉庫に保管することもあります。
チーム構成
弊社には従業員が約300名おり、そのうち約半数が外国人という事務所です。設計事務所には基本的にデザインを担う意匠設計と構造や設備などがありますが、弊社の特徴として意匠に関係する設計者が大多数を占めています。約300名の従業員の内、250人以上は意匠設計の担当者というイメージです。
そして、画像の右側に書いてあるのが設計以外の分野です。「横断型クリエイティブ」と呼んでいますが、設計を補助するための専門部隊のような位置づけになります。3DCGと模型で10名程度、インテリアは5名程度でグラフィックは3名、ファブリックが1名でランドスケープも3名程度という人数の比です。
なぜこの分野が横断型クリエイティブなのかというと、基本的に全てのプロジェクトに関わることになるからです。設計はさまざまなプロジェクトでプロジェクトごとにチームを組み、クラスターを作ってるような状態で仕事をしています。
たくさんのプロジェクトがある中で、設計者は自身が関わっているプロジェクトに集中して仕事をしています。そのため、自分の関わっていない他のプロジェクトについてはあまり情報が入ってきません。設計者が自分のプロジェクトに集中するのに対し、私たちは100を超える全てのプロジェクトにチームとして関わっています。
3DCGチームは、完成予想図である建築パースを描く「ビジュアライゼーション」と、コンピューターで3Dを制御する「コンピュテーショナルデザイン」の2つに大きく分けられます。元々3DCGチームでは、ビジュアライゼーションばかりやっていました。いわゆるパース担当者ですが、パース担当者の仕事はプロジェクト数も多く過酷で、1週間に1プロジェクトが1担当者に割り当てられるイメージです。
1日1枚以上という形式で日割りするのですが、インハウスのパース担当は無茶なスケジュールになるケースも多いです。スケジュールが1週間あっても残り2日になってからデータが届くケースもあり、それまで周辺の敷地を充実させるだけということもあります。
1プロジェクト/1週間だと年間で約50プロジェクトになるため、必然的に会社内でも色々なスタッフと関わることになります。社内の色々な方と関わる仕事ということで、横断型クリエイティブと呼んでいます。
事例紹介
The H.C Andersen’s House of Fairy Tales in Odense
これは私の入社後しばらく経ってからのプロジェクトで、初めてコンペで勝って担当したプロジェクトになります。
デンマークのオーデンセという町にあるクリスチャン・アンデルセンの博物館です。この時はCGのパソコンのスペックも上がっていたため、昔はPhotoshopで置いていた植物も全て3Dで置くことができました。
画像にある生け垣の表現においても、全て3Dで表現することで雰囲気を出すことができました。
ファンタジー要素のあるパースですが、基本的に植物は全て3Dで入れてレンダリングしています。
これは空撮した実際の写真です。昨年竣工された物件のため、私もまだ一度も行ったことがありません。
アンデルセンの童話の世界観である2面性を表現していて、地上部分はランドスケープが占めていて、地下部分に展示室が埋め込まれています。全体的に植物が多いのはそのためです。
写真を見た時は、CGで表現したかったものがしっかり実現されていてとても感動しました。
国立競技場
事例の紹介の前に、コンピュテーショナルデザインについて簡単に説明します。3Dソフトの『Rhinoceros』の中には、『Grasshopper』というプラグインが付いています。Grasshopperとは、『パラメトリック・デザイン』と呼ばれる、プログラミング言語を知らなくても画像のようなイメージでロジカルなジオメトリーのモデリングができるプラグインです。2010年代半ば頃にとても盛り上がり、建築設計の現場でも取り入れられるようになりました。
画像にある国立競技場の座席の色ですが、約68,000席ある色に対してスライダーを動かすだけで様々なバリエーションを出すことができます。
弊社だけではなく大成建設様と梓設計様との共同プロジェクトでしたが、皆様総出で色とパターンをいくつもチェックし、画像左下の色のパターンに落ち着きました。68,000席ものパターンを出すのはとても大変な作業のため、コンピューターを使ったデザインが非常に役に立った例のひとつだと思います。
国立競技場のプロジェクトについて、詳しくはこちらをご覧ください:
https://kkaa.co.jp/project/japan-national-stadium/
V&A Dundee
次に紹介するプロジェクトは、スコットランドの町に建っている『V&A Dundee』という美術館です。
テイ川という川沿いにあるデザインミュージアムで、岸壁をイメージしたファサードが特徴的な建物になります。海外の大きなプロジェクトのため、弊社内でも話題になっていました。現場が日本から遠く離れているため、進捗状況なども社内にいる時は分かりませんでした。
実際に工事が始まった後、画像にあるプレキャストコンクリートのパネルのようなものを取り付ける際に、形がまだ決まってないという連絡がきました。
建築する際、3mで作れると言われていても突然現場で2.4mに変更になるというケースがあります。現場ではそのような変更が何度も起こるため、3Dで2,000個ほどある石を1個ずつ直すのは無理だということになりました。また、そんな中で担当者が退職するタイミングになってしまいました。
その結果、誰もコントロールできなくなりました。それを引き継ぐ形で、私たちのチームに声がかかったという流れです。
その時に使用したのが、ダッソー・システムズ様の『CATIA』というソフトです。画像にある青い物体は、さきほどの画像で外に付いていたコンクリートの塊になります。CATIAではとても細かくモデリングができるため、それぞれの角度や長さなどを全てパラメーターで設定し、モデリングをしていきました。
画像にある通り、建物の壁は真っ直ぐではなくねじれています。このモデリングの方法に挑戦したプロジェクトになります。
1面の壁だけでも大量の情報があり、全部で約20種類の壁がありました。青と紫の2色で色分けをしていて、色が同じものは幅が同じです。また、窓の位置にも注意する必要がありました。窓を避けて配置することに加えて、あまり格好良くなってもいけないという問題もありました。
隈との会話にはよくオノマトペが使われていて、「パラパラさせてください」と言われました。しかし、目地が縦につながってしまうとパラパラさせることはできません。また、同じ凹凸が続いてしまってもパラパラ感が無くなってしまいます。そのため、さきほどの写真にあった岸壁のイメージに近づける作業をずっとやっていました。
3Dで現場に渡しても、現場の人が3Dから情報を読み取るのは大変です。そのため、外にあるプレキャストの塊にそれぞれ名前を付けてパラメーターや角度、長さなどを入れたエクセルを送り、図面と一緒に見ると分かるかたちにしました。
結果として、パラメーターを最適化することができました。それまでは長さが違うものがあったためプレキャストコンクリートを打つ際の幅なども全て変える必要がありましたが、そういったケースも均一化することで最適化でき、コスト削減につながりました。
この時はパースの仕事を1週間入れずに、私と先輩の2人でこの作業のみを1ヶ月続けることで間に合わせました。
画像のように、パラパラしている様子が表現されています。その表現を分かっていただけると嬉しいです。
1年後にまた連絡があり、今度は内装でパラパラをやりたいということでした。画像は出来上がったコンクリートの躯体の断面図です。
そこに写真のブラケットを付け、木を貼りたいとのことでした。ここには断熱材が入る予定でしたが、担当者がこれを考えた時に断熱材のことを忘れてしまったそうです。そのため、断熱材をよけた上でパラパラさせてほしいという依頼でした。
前回の外での作業以上にパラメーターが多く、形状を決めるのにさまざまな数字を定義して1から地道にモデリングしていきました。
全体で2000個以上ありますが、目地が一直線に通っていないことでパラパラが演出されています。
Breath/ng
CATIA開発時のダッソー・システムズ様とのご縁もあって、ダッソー・システムズ様がミラノデザインウィークに出展する際の展示物の製作依頼を受けました。
ミラノは大気汚染が激しいこともあり、ダッソー・システムズ様が見つけた空気をきれいにする布のマテリアルを使い、何かインスタレーションを作ってほしいという依頼でした。
布と建築の組み合わせを考えた結果、折るという発想でプリーツに取り組み、しばらくプリーツ加工のスタディをしていました。
布を折ることで、構造的かつ建築的になるのではないかと考えました。
最終的に、1m角の布をユニット化しました。画像にある青線が谷折りで、赤線が山折りです。布を折ることでユニット化し、それをつなげてオブジェを作ることにしました。
実際は画像のように荒々しいテクスチャですが、これもダッソー・システムズ様のソフトを使いながらスタディしていました。
最初は3Dでさまざまな形をスタディしていました。次第に激しくなっていき、画像は最終形になります。グルグルしているだけだと物足りないということで、軸が上下左右に動くようなカーブになりました。
このカーブの実現のため、3Dプリンターでフレームを作ることになりました。
このように自由な角度でフレームを作ることができるため、3Dプリンターを使いました。この時はHP様やDMM.make様にもご協力いただきました。
写真のようにクリップで止めているディテールは少し特徴的ですが、布であるがゆえあまり建築的なディテールであるボルトは合わないということになりました。文房具のようなものも使いながらインスタレーションを作ったという事例になります。
設計期間は約4ヶ月で、展示期間は約1週間でした。建築物ではないこともあって、全体的に短期間のプロジェクトでした。
Sunnyhills’Apple
コロナ前の2019年頃の建築物ではない案件です。
表参道にある『SunnyHills』というパイナップルケーキ屋さんが新しくリンゴケーキを作ることになり、そのプロモーション用に何か作ってほしいという依頼でした。
1ヶ月が期限のプロジェクトかつ限られた予算内ということで、リンゴの形を合板で切り出して立体を作ることにしました。
屋内と屋外に1つずつ、リンゴの形をした什器を置きました。そのままだとリンゴの見た目ですが、ヘタの付いている上部をひっくり返すと椅子になる仕組みになっています。
この時に感じたのは、「建築にはとても時間がかかる」ということです。場合によっては、アイディアを考えてから竣工までに10年以上かかることもあります。一方で、建築物以外であれば1,2ヶ月で完了することもあることを実感しました。
1,2ヶ月のスパンで形になることでスピーディーにデザインの検証ができるため、3Dチーム向きのプロジェクトだと思っています。
この時に早さに驚いたのが、大道具屋の方が使う工場での出来事でした。そこには大きなレーザーカッターがあったため、ベニヤを持ち込んで切ってもらいました。私の感覚として納期は2,3週間くらいだと思っていたら、「今日終わるよ」と言われて、朝に持っていったらその日の内に作業は完了していました。納期の違いに面を食らい、同時に面白さと感動を覚えました。
cham
これは、ブルガリアの首都ソフィアのプロジェクトになります。ブルガリアはとても森が豊かなのですが、あまり木材がありませんでした。
画像は、現地語で『cham(チャム)』と呼ばれるコンクリートの型枠に使う一番安い素材です。
学生たちと一緒にやる低予算のプロジェクトだったため一番安い材料を使うことになり、コンクリートの型枠用の板でインスタレーションを作ることになりました。デザインの期間は約1ヶ月で、その後は実際ブルガリアに行き、学生たちと1週間で制作しました。
シンプルな仕組みですが、模型も作ってデザイン検証を行いました。
画像のようにパラメーターを用いて、構造解析なども行っています。
木を繋げて穴を開け、紐で縛るだけです。見た感じはとても荒々しい素材感ですが、真ん中にテンションがかかっていて、紐の長さを変えると形を変えることができます。
そのため、好きな高さに変えることが可能です。これを大学のアトリウムに並べて展示したプロジェクトです。
とても荒々しくバラつきしかないような素材ですが、そういった自然素材でもコンピューターで幅や高さなどのパラメーターを制御するだけで、おおまかな形状をデザインすることができます。
コンピューターで作業しながらリアルで触り、デジタルとアナログの行き来のようなことをやっていました。一方で学生たちの日曜大工スキルがとても高かったため、想定よりも早く終わらせることができました。
Kyoei Sangyo Office
これは協栄産業様の会議室にある什器を作ったプロジェクトです。テーマは「木のリボン」で、木がリボンのようにつながっている什器を作りたいとのことでした。
画像は完成品ですが、結構激しい形をした什器になっています。最初は、ざっくりとしたイメージで作っていきました。
本件では『Grasshopper』を使っていて、三角形に分割して構造を作っています。
そのため、細かい三角形をたくさん作れるように板を色々と組み合わせました。板と板を合わせる部分には3Dプリンターも使いました。しかし、本件のスケールでも厳密に3Dを狙い過ぎて現場で誤差が出てしまったため、そこは反省点の1つだと思っています。
3Dに頼り過ぎると、こういったケースは起こりがちです。何にせよ、建築においては誤差を許容できるデザインをしていくことが求められます。実物を作る上での制限であり、ある意味メリットとも言えるかもしれません。この時はこの角度をこれだけ厳密に3Dを作るのですが、どうしてもずれることがあるため、現場での調整が大変だったと聞いています。
more than Reason
本件は、株式会社アンリアレイジの代表でファッションデザイナーの森永邦彦さんとサカナクションの山口一郎さんと隈研吾がコラボレーションした展示会のプロジェクトです。
今はもうなくなってしまいましたが、京橋にあったLIXILギャラリーで行った展示の様子です。
ファッションということで服が建築になるという想像をして、文化祭のようなイメージで学生たちを呼んで作ったものになります。
そこで森永さんとつながりができて次の年のコレクションでご一緒することになり、森永さんがテントのような見た目の服をコレクションで発表しました。建築という面では私たちが左側のテントを設計しそうですが、実際に関わったのは右側の帽子でした。
皆さんがかぶっているこのヘッドピースをデザインしました。
画像のような感じで洋服がテントになり、まさに「洋服が家になる」というコンセプトで森永さんたちが作った作品になります。
その時はMarvelous Designerを使って、布の広がる形などを全て事前に3Dでシミュレーションしました。
これはAutoCADの画面ですが、布をレーザーカッターで切るようにデータを入力しました。
画像は実際のコレクションの様子です。当時はコロナ渦だったためパリで発表することはできず、録画したものを向こうでシェアするかたちになりました。私も一緒に富士山の撮影現場に行き、実際に立ち会いました。
ヘッドピース自体は、こういう形で照明にもなるというコンセプトでした。興味がある方は、こちらのYouTube動画もぜひ見てみてください。ブラックライトが当たると光る布を使っているため、夜でもキレイな絵が撮れています。
見ていただいたとおり最後はファッションの分野まで来てしまいましたが、建築事務所でありながらCGなどを起点にして、建築以外の仕事にも幅を広げたいと思っています。
Q&A
Q1. 隈研吾さんが設計する上で、こだわりや大事にしているポイントがあれば教えてください。
あくまでも私個人が仕事をする中で感じていることになりますが、何よりも当事者の立場になることや視点を変えることが大事だと思っています。建築は建てて終わりではなく、設計図を書く段階から建築後に引き渡すという流れがあります。そのため、現場にも行かずに3Dで考えて終わりというわけにはいきません。お客様の視点に立って一緒に考えながら、いい建物にするのが設計者の仕事ではないかと感じています。
Q2. 常に新しいことに挑戦されている印象を受けました。新しい素材を扱う際や新しく企業と仕事をする際に、円滑にプロジェクトを進めるノウハウや工夫などがあれば教えてください。
こちらに関してもあくまでも私個人の感覚になりますが、社内であればコミュニケーションの回数を増やすことが大事だと思います。弊社内では、各スタッフが隈とのコミュニケーションを頻繁に行っています。隈自身も、「サッカーの試合のようにボールを止めずにどんどんパスを回そう」とよく言っています。これは、社外に対しても同様です。
どの業界でも同じだと思いますが、新しい素材を使う際も情報が止まってしまうとそこで考えも止まってしまいます。流れが円滑だとマイナスの場合でも早い段階で気付けるため、とにかく「止めないこと」が大事ではないかと思っています。
Q3. 10名ほどいる3DCGチームの方々は、あらゆるプロジェクトに関わっているという点で意匠の方々と違う目線を持っていると思います。その方達がプロジェクトに与える面白いインパクトは何かありますでしょうか。
CGの場合、社内でコピーが生まれてしまうケースがあります。それに対して、「どこかで見たことある」や「あれと同じではないか」など、設計チームのおかげで似てしまっているケースに気づけることもあります。また、多くのプロジェクトに触れる機会があるため、隈の情報に付加する形で具体的な事例を踏まえた情報を担当者に共有できていると思っています。
Q4. 隈研吾さんの指摘にはオノマトペが使われることが多いとのことでしたが、結構抽象度が高い指摘方法だと感じています。その辺りの細かいすり合わせ方法をもう少し詳しくお伺いしたいです。
確かに、「パラパラ」や「ギザギザ」などの言葉は飛び交っています。スタッフの半数は外国人ですが英語が母国語の方が少なく、アジアやヨーロッパ出身のスタッフが多く在籍しています。そういった中でも、抽象的なオノマトペだからこそ言語化できない何かがあると思っています。「パラパラ=隙間が20mmずつ空いている」ということではないですが、徐々にパラパラの方が外国人スタッフにも共有されつつあります。
直近では、今年ヴェネツィアで隈の「オノマトペ」がテーマの展覧会がありました。オノマトペをテーマにジャンルを分けて展示していて、そこではローマ字で「Parapara」と書いてありました。英語でパラパラの意味を抽象的に説明していて、パラパラを表現した模型も置いてありました。
それだけで全てを説明することは難しいですが、弊社内ではある程度「パラパラ」を共有できています。縛られないことで自由さを持たせつつ、方向性だけはディレクションできるという魔法の言葉になっていて、社内では徐々に浸透してきています。
Q5. 以前、隈研吾さんが画像生成AIを使い、比較して設計しているという記事を拝見しました。それは、パースやデジタルデザインでの活用として使われているのでしょうか?
生成AIについては、現状、設計スタッフがアイディア出しをする際に、Pinterestのようにリファレンスとして扱うかたちで取り入れられているように見受けられます。直接アウトプットできなくても、イメージとしては「こんな感じ」というところまで出せるため、現段階ではリファレンス、もしくは反面教師的な例としては活用できると思っています。